top of page
検索

内なる叡智の響き合い:分断の時代に、なぜ私たちは「つながり」の物語を求めるのか?

  • 9月9日
  • 読了時間: 5分
内なる叡智の響き合い

私たちは今、かつてないほど複雑で、先の見えない時代を生きています。気候変動、社会の分断、そして心の平穏を脅かす日々の喧騒。そうした中で、私たちはどこに羅針盤を求め、何を拠り所に進んでいけば良いのでしょうか。その答えは、外なる世界の喧騒の中ではなく、私たち一人ひとりの「内なる静寂」にあるのかもしれません。

この記事は、Zen2.0が主催したオンラインイベントでの対話から生まれました。鎌倉からマインドフルネスの新しい波を発信するZen2.0と、仏教の叡智を現代に問い直すメディア「サンガジャパン+」。二つの異なる流れが交差した時、そこに浮かび上がってきたのは、現代社会が抱える課題の核心と、未来への希望の種でした。


時代が求める「仏教の知恵」という羅針盤


「なぜ今、仏教なのか」。これは、多くの人が抱く素朴な疑問であると同時に、非常に今日的な問いでもあります。対話の中で語られたのは、私たちが拠って立つ西洋近代文化がもたらした繁栄の、その影の部分でした。効率や成長を追い求める中で見失われてきたもの、それは地球環境との調和であり、他者との、そして自分自身との深いつながりです。その「つけ」とも言える状況に直面している今だからこそ、仏教という人類の長大な知恵に光が当たっています。

「西欧近代の文化のつけを、まあ全人類が、広原は働いてみたいところがあって。いやいや待ってを、ちょっと待ってください。人類な仏教というもっと血が、知恵がある。んですようと、いうことを思い出してくださいよって、いうところがで、それでまあ後今仏教なのか。」▼ 動画の該当箇所(29:29~)はこちらhttps://www.youtube.com/watch?v=AJsdfPTurJg&t=1769s

それは、単なる過去への回帰ではありません。むしろ、未来へ進むための新しいOSを、人類の叡智のアーカイブから見つけ出す試みと言えるでしょう。サンガジャパン+の再出発が、多くの人々の共感と支持を集めた事実は、この探求が一部の人々のものではなく、社会全体の静かな、しかし確かな希求であることを示唆しています。


内なる叡智と『相互存在』の物語


この時代の大きな問いに対して、Zen2.0が掲げたテーマが「Inner Wisdom: The Story of Interbeing(内なる叡智:相互存在の物語)」です。それは、すべての答えは「内側」から始まる、というパワフルなメッセージでした。自分自身の内なる声に耳を澄ませること。それが、世界との、他者との健やかな関係性を築くための第一歩となります。

「内側から始めよう。そして世界とつながっていこうというところでこのタイトルになりました。…お互いのその物語が最初からも。異なっているっていうことをミラ忘れちゃってるんですねっていうところで、すべての物語とともに生きていく」▼ 動画の該当箇所(32:16~)はこちらhttps://www.youtube.com/watch?v=AJsdfPTurJg&t=1936s

私たちは、知らず知らずのうちに「自分の物語」だけを生き、他者の物語を忘れがちです。しかし、本来、私たちは相互に依存し、響き合いながら存在する「相互存在(Interbeing)」です。この真実を思い出すとき、私たちは分断を乗り越え、より大きな全体の物語の一部として、世界と関わることができるのではないでしょうか。Zen2.0のプログラムは、アートや、メタバースでの坐禅、様々な分野の専門家との対話を通じて、この「相互存在の物語」を五感で体験する場としてデザインされています。


鎌倉から始まる、マインドフルな未来への探求


この探求の舞台が、鎌倉であることにも深い意味があります。禅の文化が根付き、海と山という自然に抱かれたこの土地は、私たちに「地に足のついた」感覚を取り戻させてくれます。思考の迷路から抜け出し、今この瞬間の身体感覚、鳥の声、風の匂いに意識を向ける。その具体的な実践の中にこそ、内なる叡智へとつながる扉があります。建長寺という歴史的な空間と、メタバースという先進的な空間が交差する今年のZen2.0は、まさに伝統と未来、そしてリアルとバーチャルが融合する、新しい時代の探求の形を象徴しているようです。


まとめ


私たちの世界が直面する課題は、あまりに大きく、複雑に見えるかもしれません。しかし、その根源にあるのは、私たち一人ひとりの心のあり方、そして世界との関わり方です。Zen2.0とサンガジャパン+の対話が示してくれたのは、その関わり方を変えるための鍵が「内なる叡智」と「相互存在の物語」にある、という希望でした。

この記事を読んでくださったあなたは、今、自分自身の内側にどのような声を聞いているでしょうか。そして、どのような物語を、他者と、この地球と共に紡いでいきたいと感じているでしょうか。その探求こそが、マインドフルな地球(プラネット)を実現するための、最も確かな一歩となるはずです。


今回の動画でお伝えしたテーマは、私たちのYouTubeチャンネルでさらに深く探求しています。


時代を超えた叡智と現代の課題を結びつけ、マインドフルな地球(プラネット)を共創するための対話を発信していきますので、見逃さないよう、ぜひチャンネル登録をお願いします。


そして、もしあなたがこの探求の旅にリアルで参加し、鎌倉という特別な場で自己・自然・他者との繋がりを深めたいと感じているなら、私たちが開催する「Mindful City Kamakura Week」が、そのための『場』となるでしょう。ご興味のある方は、ぜひ一度公式ウェブサイトを訪れてみてください。


 
 
 

コメント


bottom of page